12月20日総合病院において、「起こりやすい虐待と院内における視点」というテーマで研修を行いました。特殊な病棟もあり日ごろから権利擁護や倫理についての意識が高い病院だけに、どのようなことを伝えるか思案しましたが、本人とその家族を中心とした生活者の視点についての意識をおき、基本となる虐待対応についてお伝えしました。家族療法的なアプローチ法、危機介入アプローチ、バイオサイコソーシャルなど、事例と理論の紹介を並行的に行い、制度論的な視点にあわせて個別的支援の実際を紹介しました。
病院は虐待が発生する場としてはほぼ想定されていませんが、研鑽をつんで、地域での対応に協力していくことは望まれています。地域で機能するためには組織をソリューション視点で意識統合しておく必要があります。精神科病棟のある病院ではまたすこし視座は変わると思いますが、院内にある倫理委員会等との接続や体制化、実際の対応時のフローづくりなど、新たに設置する虐待防止委員会の機能を構築するようなコンサルテーションも行えます。在宅中心の事例でしたが、多職種だからこそ難しいチームでの虐待への関わりかた、つなぎ直しによる本人の回復など、病院に置き換えたり、病院がどのように協力できるか皆さんで考えて行って頂ければと思っております。お呼び頂きありがとうございました。