まちゼミ

 宮町商店街振興組合主催のまちゼミ。わたしも参加し、10月18日、27日に行った。各定員4名で、社会福祉士とはどんな資格かという講義を1部として、その後、意思決定の支援にからめ、写真コラージュをつかって、自分の内面を開示することについてワークショップを2部として行った。

 ゼミでは、まったく福祉も心理も触れる機会のない、一般の会社員のかたなど、社会福祉士や後見制度について初めて聞いたとの感想をもらいながら、丁寧にご説明した。ありがたいことに、ほかにも料理系のもの、革細工などの工芸的なものなど、楽しそうなまちゼミがあるなかで、当事務所のワークショップを面白そうと思ったと、参加されたかたがいらっしゃった。

 講義では、その都度質問があったときには、パワーポイントをとめてご説明し、少人数での周知活動は質的に高い伝達があったと手ごたえを感じている。できれば、まちゼミでは終わらせず、今後はシルバーパートナーズなどで講義を展開していこうと思っている。社会に役立とうとの資格である、社会福祉士ではあるが、実際には社会の知名度はやはり低いのだろうと感じる機会となった。いっそソーシャルワーカーという名称を加えた資格名と変えれば、いいのではないかと感じている。講義では任意後見についても取り上げることができた。

 写真ワークショップでは、宮町商店街に全員でくりだし、「気になって仕方ないもの」をテーマに各自撮影して頂いた。その後、事務所に戻って頂き、インデックス印刷して、特に自分の気になったものを選択していただき、正式に印刷した。あとは、自分の思うままに、切ったり配置して、コラージュを作成した。なかには1日でもやっていられそうとのご意見を頂き、今後も継続して参加頂けるようご案内となった。

 作成後は、各自作品についての内省を働かせていただき、なぜそれを撮ったのかなど、ファシリテーター(わたし)の質問に答えて頂く形で、自分らしい見方や世界を紹介頂いた。初めて会う参加者同士ではあったが、おたがいに理解的な雰囲気をたもち、安心して語れる場となった。本来であればフレーム維持をしっかりして、時間で終えるものではあったが、今回はしっかり完成させるためにやや超過する形となった。

 このような形で、仕事を紹介するという時にどんな方法であれば、一部でもしっかり分かって頂けるか悩みながら、一般のかたと接することができた。以前も、写真の撮り方講座など、居場所の活動はしたことがあったが、コラージュを含めた今回はふんわり、ゆったりした場となり、ひとより上手くなりたいとの集まりとは違ったものとなった。楽しく、サポーティブな雰囲気でバイアスをかけて、そのなかで、資格の価値を紹介することができたのは、規模が小さいながら私のストレングスとなった。

 参加頂いた皆様、指導頂いた商店街の皆様、大変ありがとうございました。

20191017 ワークショップ

 

スーパービジョン研修講師(自治体開催)

 この度、主任介護支援専門員研修の新たなテーマとして、スーパービジョンの講義を自治開催の研修で行った。県内では、当事務所が認定社会福祉士向けのスーパービジョンを最初に行ったこともあり、その実践をお知らせできる機会を得てとても喜んで講義の準備をすすめた。

 しかし、準備を進めるにつれ、常々疑問に思ってそのまま置いておいたことが、やはり問題として、行く先をふさぐ形となった。

 スーパービジョンを行う上で重要なものとして、フレーム作りと秘密保持など安全な環境が必要となる。今回のスーパービジョン研修が導入研修なのか、スーパービジョンを教養として学び、いつかのために備えるのかどちらなのだろうとの壁である。

 私としては、スーパービジョンで得るものが大きいとの経験を重ねてきたので、ここはぜひ学びながら、実際に行う基盤をどのように作っていくか言及し、その圏域で実際に推し進めて行けたらとの想いが強くあった。

 今回の受講生は社会福祉士ではなく、主任介護支援専門員である。どこまで初学者が理解可能かと実際の研修資料を圏域の社会福祉士や行政担当者が確認しながらの準備となった。

 介護支援専門員は、関係する領域の様々な基礎資格者が取得する資格であり、そのための共通的基盤は、どうしても基礎資格にひっぱられ、明確なアイデンティティを打ち出すことに難しさがある。どうしても事例を扱う専門職として、事例があれば解こうとする訓練に慣れ、何をする職種か、自分はその資格でどのようにしたいのかとの考える場がなくひたすら実践という姿が介護支援専門員であろう。

 そのため、メタな部分を扱おうとする取り組みには抵抗感や研修の成功イメージを作ることに時間がかかるのではとの懸念が研修担当者にはあった。

 フレームについての理解が研修担当者で進むにつれ、守られた自由な場をどのように作るのか、事業所をまたいだ場合の秘密保持や実際の契約はどのようになっていくのか、SV関係や契約などがどこにも示されていないなかで、大きな課題として共有することとなった。

 実際の研修では、フレームの課題があることを伝えつつ、行う場面や行った場合の効果、実際にどのような技術をSVの場でも使うのかなどワークを加えながら研修し、土惑いながらも、一定の理解を得ることができたと評価している。

 特定事業所加算の会議や事例検討の場など、まさにこれらはSVのスキルを使う場面である。虐待対応専門職チームが動く場面についてもSVそのものである。

 SVは、単に合意形成で済ませられない場で効果的に事例に対応し、その専門職を成長させようとの仕組みがある。

 今回の自治体研修は、先駆的な取り組みとして称賛して終わることができた。この称賛を専門職として生きる人をつなぐ共通のバイアスとして、地域でのSVが展開されていくことを願っているし、今後も協力していきたいと考えている。

 分からないと投げ出さずに真剣に参加して頂いた受講生に感謝し、称賛致します。

仙台市 「まちゼミ」参加

宮町商店街振興組合の企画で、商店主が先生、市民が生徒となって、業種の理解や地域の活性を図ろうとする「まちゼミ」が開催されます。若い商店主が多く入会している宮町では、33の事業者が参加となったとのこと。わたしも個人事業、七夕に引き続き、まちゼミに参加することになりました。当日は、後見制度の概要と社会福祉士資格の周知化となる授業ののち、写真をつかったコラージュを行います。ふだんはセラピーとして行う写真のワークショップですが、今回は、作業を楽しんでもらい、その作業から分かることなどの説明を通じて、他者の考えを理解する手立てや後見人としての意思決定支援の難しさなどお話できればと思っています。日時は、令和元年10月18日金曜、10月27日日曜 14:30から16:00頃まで     場所は、エンパワメント後見事務所内                       参加定員 各4名                                参加費は300円(材料費の一部)                         持ち物 筆記用具 のり はさみ カメラ(貸出あり) SDカード         当日は作業ボランティアがつきますので、写真の知識は不要です。おきがるに参加下さい。予約制090-1374-5600 

折り込み広告がでるそうなのでますので、そちらもご覧ください。                     

法人委託研修(権利擁護)

 先日、複合型の施設を展開している法人から依頼があり、内部研修を行った。前回、権利擁護研修を行った際、研修企画者側、参加者とも権利擁護のイメージが広くあり、概要を2時間で説明することに難しさを感じていた。あわせて権利擁護は後見制度の事だけ指すわけではなく、また、高齢者の施設研修だからといって、高齢者だけの権利の視点のみ伝えることには、不足と感じていた。本人を取り巻く環境についても理解的に対応できるようにするには、児童のことも、障害者やDVのことも知って、全体を見る力、気づく力が研修により養われればとの想いがあった。

 これは、私自身が虐待対応や後見人としてわらでもつかみたい想いとなっているとき、純粋に同じ視点や心持で支援に参加してくれた方があり、もっと同様の人材が地域でふえたら、小さくても幸せが広がるのではと考えたことにつながっているのだと思う。

 今回は、短時間の知識詰込み型ではなく、視点に火をともす研修にしようと考え、後見制度、虐待は同一ではなく区別されるものと説明し、量を減らし、権利とそれを擁護する「やさしさの視点、関わり」についてをメインとした研修デザインになった。

 身近な権利、そして人としての成長や欲求、それを基盤とした信念や物語が意思決定の重要な基盤となっていることに時間をかけた研修の流れとなった。利用者も支援者自身も同じ人としての地続きな存在であり、同じような自分の中にある成長の歯車に動かされ、選択や実行の良否などで悩んだり、達成感をもって人生を歩んでいることを扱った。

 時間に追われても、同じ関われる時間でも適切で質の良い対話により、本当のニーズを掘り当て、それを実行できるようにし、チームをそのニーズで縛って協働できたとき、困難な中にある本人は、初めて行動を起こせるものと考えている。その感情や発達、物語を扱う関わりを「やさしさの関わり」とした。やさしさの関わりを基盤としている施設では違和感のある行動、つまり不適切な行為はすぐに目立ってしまう。

 また、スタッフ自身もそれに巻き込まれ、職場からやさしさの関わりを受けることにより内観が働き、自身の成長も意識した関わりを持てるようになる。結果仕事への愛着、満足につながり、仕事にもっとコミットし成長への階段が上がれるものと説明させて頂いた。介護の仕事は、仕事の質と介護士自身の心的成長が密接であるため分けて考えるべきではないと今回の研修をつくるうえで改めて感じた。

 今後もご要請があれば、その職場の課題にあわせ、法定研修の企画実施等をオーダーメイドで行っていきたいと考えています。ご要望があればお気軽にメールBOX等へ連絡ください。

スーパービジョン講師(東京社会福祉士会)

本日は、基礎研修Ⅲの講師で東京に伺いました。担当コマは、スーパービジョンです。認定社会福祉士制度開始から、手探りで行って来たスーパービジョンについて、私なりの手法、視点についてお話しました。東京社会福祉士会のスーパーバイザー養成システムの構築に参加させて頂き、講師となってから3年となります。バイジーの視点がしっかり持てれば、バイザーもできる。認定SVは戻るところを様式で担保し、具体的に成長部分を2人で見つけ取り扱っていく。忙しい中で、そこでしか話せない専門職としての研鑽の場の必要性、効果を多くの人と共有できればとの想いで研修外でも活動しています。

スーパービジョン単体での効果について因果関係を証明することはなかなか難しいですが、良い対話、良い拘束を2人でもてた時、SV後の自己効力感、目標に向かってのパースが広がり実務に向かう力、視点の変化を実感できると私自身の体験では言い切ることができます。

東京ではバイジー希望者に対して、バイザーは圧倒的に少ない状況のなか、確実にSVが行え、満足度や専門職のレジリエンス等心理的アプローチについても配慮できるバイザーが確実に育成されて来ている思います。事務局によるフィッティング制度も重要な部分で機能していると感じています。

人の行動(心理)が扱え、理論を実務に自然に取り込んで評価まで行えるように私のSVでは注力しています。一方でSVを受けてよかったと思われる、健康心理的、産業カウンセリング的視点、専門職の一致についても取り扱っております。

東京の会員の熱量を仙台に持ち帰り、さらに効果的なSVをバイジーと検討していきたいと考えています。

SV希望されるかたはお気軽にメールをください。認定社会福祉士を目指さないかたでもお受けしています。

 

院内研修会講師

12月20日総合病院において、「起こりやすい虐待と院内における視点」というテーマで研修を行いました。特殊な病棟もあり日ごろから権利擁護や倫理についての意識が高い病院だけに、どのようなことを伝えるか思案しましたが、本人とその家族を中心とした生活者の視点についての意識をおき、基本となる虐待対応についてお伝えしました。家族療法的なアプローチ法、危機介入アプローチ、バイオサイコソーシャルなど、事例と理論の紹介を並行的に行い、制度論的な視点にあわせて個別的支援の実際を紹介しました。

病院は虐待が発生する場としてはほぼ想定されていませんが、研鑽をつんで、地域での対応に協力していくことは望まれています。地域で機能するためには組織をソリューション視点で意識統合しておく必要があります。精神科病棟のある病院ではまたすこし視座は変わると思いますが、院内にある倫理委員会等との接続や体制化、実際の対応時のフローづくりなど、新たに設置する虐待防止委員会の機能を構築するようなコンサルテーションも行えます。在宅中心の事例でしたが、多職種だからこそ難しいチームでの虐待への関わりかた、つなぎ直しによる本人の回復など、病院に置き換えたり、病院がどのように協力できるか皆さんで考えて行って頂ければと思っております。お呼び頂きありがとうございました。

事業所内研修会

複合的なサービスを展開している事業所で権利擁護についての研修会を開催しました。

日勤業務終了後の研修にもかかわらず、多数のかたが参加され、アットホームな一方で緊張感ももって研修することができました。多職種向けの研修で、初めて権利擁護を学ぶというかたも多くいらっしゃったとのことで、伝えたいことはたくさんお伝えしましたが、周辺領域の例など逆に解りにくくさせたのではと、理解度について反省もありました。

受けていただいたかたには、研修後の補足資料の提示や問い合わせへのお返事等継続的なフォローにも尽力したいと思います。

事業所の方針やレベルに合わせた研修会を企画していきますので、お気軽にご連絡を頂ければと思っております。

おつかれさまでした。