仙台七夕・宮町通り七夕

 先日、商店街振興組合より七夕飾りを出さないかとのお誘いがあった。仙台七夕にあわせて、仙台駅北側の花京院を入り口として、東照宮神社までを結ぶ宮町商店街に飾られる地域の七夕様である。仙台七夕は、8月6日から8日まで市中心部アーケード街で行われるのだが、それを盛り上げ、または負けじと、力のある商店街を中心に市内のあちこちで毎年飾られている。

 当事務所は、地域の生活者に近い視点で、社会福祉士が行う実践のため、商店街振興組合に入会をした。そのいっとう最初の催し参加としては、とても華やかでやりがいのあるものと考え、行動することとした。

 組合から、骨組みを借りて意思表示をしたものの、業務に押され、なかなか、お花紙やその他の材料を購入しに行く暇が持てず、日にちばかり過ぎて、だんだん焦りや困り感が湧いてきたことに気が付き、なんとかしなければと計画を立てることにした。

 同級生の家が商売をしていて、七夕の時期が近付くと店員さんや、おじいさん、おばあさん、子供が参加して、みんなで花を折り、折り鶴を折りしているところに、遊びに行き、その地道な作業に大変だなと心底思っていたことを、ここにきて思い出した。

 焦る気持ちから、教えてもらった七夕材料の売店に、仕事途中に立ち寄ってみると、隔日しか営業しておらず、なかなか手が付けられずとにかく困ったという気持ちになってしまった。後日、妻に頼んでも、空振りでやはり成果がえられず、三度目の正直でようやく、本日材料購入にたどり着くことができた。

 その売店は、外観からは分からないが畳敷きとなっていて、靴を脱いで、お茶飲みテーブルがある中心部に招かれ、どのようなものを作りたいか、膝を寄せて話をしながらゆっくりと決めていく商売の仕方であった。おそらく、着物を仕立てるため反物を購入し、採寸などして完成に至る呉服店の商売はこんなだったのだろうと、ちょんまげの時代に思いをはせるなど、そのインパクトに私自身も脱線ぎみの思考となった。

 すごいところに足を入れたとの気持ちも沸き起こったが、そのあとの、女将さん?と店員さん?の掛け合いのなか、何のイメージもなかった飾りが、ひとつひとつの部品のおすすめをもらいながら、そして、説明が面倒だと思ってか、その場で作れるものは簡単にこしらえてくれながら、いつの間にか必要な買い物はすべて終えることができていた。一見、はちゃめちゃなことを言い、ふざけあいながらのやり取りに見えて、客の要望をじわじわと聞き出し、そして満足感の高い買い物をしたとの気持ちにいつしか、もっていかれていたことに気が付き、このおばちゃん達はプロだと心底思った。

 冒頭にあるとおり、仙台では同時に七夕があちこちで開催され、短期間のうちに、個性的な飾りつけを行おうとする商店主等がたくさん売店に訪れる。それを2、3人のおばちゃんでさばくのだから、クレームを受けている暇はないし、ましてや追加購入等でなんども同じ客が来ても、入る居場所もないくらいものに溢れた店内のため、確実に1度対応した客はしっかりと品物を持たせて帰しているのだと考えることができた。

 5号のほねぐみには、花が80個、花は1個につき5枚など、長年の経験でそのくす玉にあわせての吹き流しの長さや、つなぎかたはこうだと、すべて示してくれた。時折、鶴は何列ぶら下げたいの?など無茶ぶりはあったものの、ああ自分でもなんとかやれそうな気がしてきたとの思いを抱いて帰ることができるようになった。

 今回、伝統七夕を作る超初心者としての行動で、部品の購入一つでも社会から個人に対して当たり前に行われてきた、エンパワメントであったと理解することができた。これは本当によい経験であったと思う。このような体験が個人ごとにもっと増え、つながりを作っていくことが、地域づくりであれば、それこそよいと感じた。もはや完成した気持ちでいるが、これから数百個の花や鶴などを折ることを忘れないようにしたい。この気持ちがまずは、事務所内、家族内で共有でき、完成に至らせなければならないところである。

 この経験で思ったことは、先を見通せた時の安堵感と、自己効力感を得られる関わりが、福祉以外の場面で実感できたことである。昔はよかったとよく耳にするが、その一つがこの、入ることに不安もあるが、人の中に入ることで知識が身に入って来たり、その行いの良い悪いを、優しく口伝えで教えてくれることにあるのだと実感することができた。まさに実感なのである。

 いつかまた、恩人である、あのおばちゃんたちのスキルを今度はもっと余裕をもって、インタビューしたいと考えている。

2 Replies to “仙台七夕・宮町通り七夕”

    1. コメントありがとうございます。肉巻きおにぎりの前に飾りは下げていました。
      包括の飾りすごかったですね。参考にさせて頂きます!

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